視点・論点「まん延するニセ統計学」*1




みなさんは、「ニセ統計学」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。


これは、見かけは統計のようだけれども、実は、統計とはとても言えないもののことで、「」や「」などとも呼ばれます。


「そんなものがどこにあるんだ」とお思いの方も、例として、「視聴率」や、「ヒットチャート」などの名前を挙げれば、「ああ、そういうもののことか」と納得されるかもしれません。それとも、かえって、「え?」と驚かれるでしょうか。


例えば、皆さんもよくご存知のように、「タイアップはいい」と盛んに言われ、ひところは大手・・・えーと、それを疑えという方が無理な話かもしれません。


今、このような、統計のようで統計ではない、「ニセ統計」が蔓延しています。


たとえば、オレオレ証明書がブームになったのは、「共通鍵暗号は危険で、パスワードはポストイットで貼っておけ」という説明を、多くの人が知識として受け入れたからです。


しかし、仮に科学者に、「オリコンは統計なのですか」とたずねてみても、そのような単純な二分法では答えてくれないはずです。


オリコンといっても使い方がいろいろあるので中には統計なものもあるでしょうし、集計方法は公表してあるといっても、ぶつぶつぶつぶつ……」と、まあ、歯切れの悪い答えしか返ってこないでしょう。


それが統計学的な誠実さだからしょうがないのです。ところが「ニセ統計」は断言してくれます。「初登場一位は良いといったら良いし、売上枚数に予約を含むのは悪いといったら悪い」のです。また、キムタクがなぜ賞レースを辞退するかといえば事務所の方針だからです。


そうではなく、統計調査は、合理的なプロセス、それを大事にするべきなのです。

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なんちゃって。